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『本質眼』を読んで -球団強化の方向性について- [スポーツビジネス]

今年もあと残り数試合になりました。この終盤にかけては本当に見応えのある試合になってきているように思います。選手、球団の方の努力が秋になり、やっと実ってきたという感じでしょうか。この調子だと、来年は戦力も今年よりアップするだろうし、球団、チームとしての基礎が作られつつあると思うので、より勝利を上積みできるのではないかと思います。このような中で、株式会社楽天野球団の島田亨社長の著書『本質眼』を読み、その感想や私なりの意見等を述べてみたいと思います。やや反論的な部分もありますが、東北地方で初めての本格的なフランチャイズ球団としての東北楽天イーグルスを応援したい気持ちの表れと思っていただけたら幸いです。
本書の中で、昨年の田尾監督の解任騒動について書かれてあるが、その理由として「成績が悪かったからの解任ではなく、中期的に見たときに田尾監督の言動等からチームとしての展望が画けなかった」ことがその要因となっている。確かに監督がどのようなチームを作りたいか、そのためにはどのような選手を必要としているかを球団フロントに明確に提示する必要はあるが、もっと重要なことは球団首脳に「私たちはこのような野球を目指したい、このようなチームを作りたい、そしてこのような野球でファン・地域の人々に感動を与えたい」というような明確な強いチーム作りの意思がなければならないのではないか。

しかし、本書を見る限り、「田尾さんの目指している野球が…」「田尾流の野球」「田尾さんは彼らを使ってどういうふうに戦うのか」というように、全て田尾さんに頼りきっている姿が見てとれる。加えて、理想的なイメージとしてあげていることも「うちは野村さんのID野球です」「うちはボビー・バレンタインのポジティブな、しかも機動力を生かした野球です」と、全て監督に頼りきっている。このような姿は、サッカーの日本代表にも同じことが見てとれ、”日本”代表として日本のサッカーをするのではなく、そのつど新監督が就任した監督の通りの、例えば“トルシエ”ジャパンとか、“ジーコ”ジャパンと毎回監督頼りのチームになり欧州流であったり、南米流になったりと常にバラバラで、“日本”としての形がまるで感じられないサッカーになってしまっている。楽天イーグルスも日本代表同様に、球団首脳の明確な理想像がなければ、将来的に球団としての理想的な姿も小さいもので終わってしまい、成長もほとんど先細りであろう。

球団首脳は、自分たちはこのような野球を目指しているという明確な強いイメージを持ち、その自分たちの理想とするチームを作り上げるには今、どのような監督が必要なのかを見極め、その方針に沿った監督人事を行ってこそ本格的なチームとして成り立つのではないか。現在の状況を見てみると、これまでの野村監督の経験に大きく頼りすぎていて、すべて野村監督お願いします的な姿勢になってはいないだろうか。1年目の経験から、球団首脳の中に、チームの大きな幹となる自分たちの目指すべき理想のチーム像はできているのだろうか。現在、指揮されている野村監督は、その野球哲学にも定評があり、自分の中には理想とするチームの姿が明確に画かれている監督で、チームの基礎づくりが最も必要なこの時期の監督としては本当に適した監督だと思う。この野村監督が就任されている間に、球団としての将来的なチームの姿を野村監督の意見も反映させながら明確に画くべきである。「うちは野村監督の…」が理想ではなく、監督が交代しても楽天イーグルスにはカラーがあり、「楽天イーグルスの野球は…」というように言えるのが理想である。


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