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楽天イーグルス 本拠地の現況 [スポーツビジネス]

【宮城県、1軍】
東北楽天ゴールデンイーグルス(以下、楽天イーグルス)が、本拠地宮城球場の改修計画を発表した。主な改修箇所は、右翼側外野席へのグループシートの新設、外野スタンドへのリボンビジョン(帯状発光LED画面)の新設、人工芝の全面張り替えで、投資総額は約8億5000万円である。また、先日、宮城球場のネーミングライツ(命名権)を、年間2億円以上という高額の購入金額にもかかわらず大手製紙会社「日本製紙」が落札し、来シーズンから「日本製紙クリネックススタジアム宮城(略称Kスタ宮城)」となる。宮城県の発表によると、今シーズンの楽天イーグルスのホーム試合による県内への経済波及効果は、観客動員数が初めて100万人を突破したこともあり、推計129億円と、前年比32億円増であった。今後は、上記した改修費や観客による飲食等の直接効果に加え、仙台には球団による経済効果を契機として大手百貨店の出店や外資系ホテルの進出なども見込まれ、東北地方の中核としてより魅力ある都市に変貌しつつある。
【山形県、2軍】
楽天イーグルスの2軍が本拠地を置く山形県では、12月21日に山形県野球場のネーミングライツの取得者が決定した。取得したのは、蔵王温泉の株式会社高見屋旅館で、来シーズンから球場名称が、「山形蔵王タカミヤホテルズスタジアム」となる。もともとネーミングライツを年間1,000万円と設定し募集を開始したものの購入希望がなく、その後800万円、500万円と金額を下げてようやく決定した。1軍と2軍の差は大きいが、2億円と500万円という金額の差は、それ以上に大きい。以前、当サイトでも山形県のスタジアム整備をテーマとしたことがあったが、今年の夏も山形県野球場を訪れ、楽天vsロッテを観戦したが、相変わらず球場環境(含飲食関係)はプロ野球の球団が本拠地としているとは認めがたいものであった。2軍の日本シリーズ等を開催するなど、ソフト面での努力は見られるが、ハードに関しては相当の遅れがある。全国でもプロ野球が本拠地を置いている都道府県は一握りであり、そのありがたさ、チャンスを山形県は活かし切れていない。このままでは、いずれ球場が整備されている秋田県や、人口でも魅力がある岩手県、福島県に本拠地が移るであろう。そうならないためにも、前回記事で紹介したように、宮城県および仙台市との結びつきをより深めていく構想も考えられている中で、山形県は球団の活用についても盛り込み、楽天イーグルスも含め3者間で積極的に連携するなど、山形県の活性化につなげて欲しい。財政が厳しいのも分かるが、"将来の投資"として新球場の建設等、積極的な球場環境の整備を望みたい。

(研究員)Copyright ©Yamagata Research Institute


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